岡本渓壽さんの銅の片手鍋(ふたつき)
¥25,300
SOLD OUT
素材:銅、錫、椿の木(持ち手)、真鍮(ふたの取っ手)
サイズ:(鍋)約直径16×長さ32.5(持ち手含む)×高さ8cm、(ふた)約直径17.5×高さ3cm
容量:1,200mL
※IH不可
※手づくりのため、商品と表記寸法の間に多少の誤差が生じることがございます。あらかじめご了承ください
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自然の造形美を生かした、
岡本渓壽さんの銅の片手鍋
昨年、あっという間に完売してしまった、鍛金作家・岡本渓壽(けいじゅ)さんの銅のミルクパン。
今年は、ミルクパンに加え、片手鍋が仲間入りしました。
椿の木でつくられた美しい柄が目を引く、手打ちの銅の片手鍋です。
●銅の片手鍋の特徴
銅製の鍋は、熱伝導が高く、均一に火がとおり、料理をひと味もふた味もおいしくするといわれています。
直径16cmの片手鍋は、野菜を色鮮やかにゆでることはもちろん、筑前煮やロールキャベツなどの煮ものにもおすすめ。ふたをすることで、熱が全体に素早く伝わり、煮くずれせずに味がよくしみこみ、おいしく仕上がります。また、ジャムやあんこづくりなどにも。
銅の鍋は使い込むほどに風合いが変化していき、時間をかけて育てていく楽しみもあります。
「見た目がやさしく、あたたかみが感じられるのも銅の魅力のひとつ。手入れ次第では一生ものどころか、次の代まで使えるといわれています」と、つくり手の岡本渓壽さんはいいます。
●一枚の銅板から片手鍋ができるまで
最初から最後まで手打ちで仕上げることを大切にしているという岡本さんの鍋。
ひとつの鍋ができるまで、実にたくさんの工程があります。
銅板を丸く切り抜いてガスバーナーでやわらかくなるまで焼き、黒くなった表面を希硫酸につけてきれいに洗い、当て金(あてがね)という金床(かなどこ)の上に置き、回しながら叩いていきます。
叩いているうちに銅がかたくなってきたら、また焼いて、洗って、叩くことを何度も繰り返し、ようやくこのかたちに仕上がります。
●自然の造形美を生かした、椿の持ち手
持ち手部分の椿の木は、曲がり具合や節をあえて残すことで、自然の造形を感じられるかたちに仕上げています。
この椿の木は岡本さんが山で伐採したもの。やわらかいうちに樹皮をナイフで剥ぎ、1年以上自然乾燥させたものを使用しているのだとか。
「適切な太さと形のものを選び、ナイフで全体をきれいに削ったら、3種類のサンドペーパーを使って磨きあげます。いろいろな木を試してみましたが、椿はきめが細かくて手触りがよく、色白で強度もあるんです」(岡本さん)
●銅の色を美しく保つためのひと手間も
鍋の内側は、銅の変色防止のため、錫引き(すずびき)に。
岡本さん曰く、口径が小さいので手が入らず、余分な錫を拭き取る作業にいつも苦労しているのだとか。
外側も同様に、変色を防ぐため拭き漆仕上げに。
銅のあたたかみのある飴色は、生の本漆を全体に塗り、オーブンに入れて焼き付けることで出てくる自然の色合いなのだそう。
【銅鍋の取り扱い方法】
・銅の内側は錫引きを施しているため、空焚きは避けてください。
・錫は非常にやわらかい金属です。使用後は、金属たわしなどで無理にこすらないでください。
・普段のお手入れは、中性洗剤をスポンジにつけて洗い、水気を拭き取ってください。お手入れが不十分だと白い粉状のものが付着してきますが、これは水道水の成分(カルシウム等)が固まったもので、衛生的には問題ありません。食洗器は使用しないでください。
・焦げ付きなどを落とす場合は、ナイフなどを使用しないでください。熱湯に浸して焦げ付きをやわらかくしてから取り除いてください。
・調理後は、内容物を入れたまま保存しないでください。食品を長時間保存することで、稀に銅イオン中毒を引き起こすことがあるといわれています。
・塩分や酸などを含んだ汚れを付着したまま放置したり、湿気の多い場所での保管は緑青発生の原因になります。(緑青は有害ではありません)
・緑青が発生した場合は、酢と同量の塩を混ぜた溶液を歯ブラシや布につけてこすり落としてください。その後は、中性洗剤で洗い、すすいで水気を拭き取ってください。
・鍋の外側には漆を拭き、焼き付けをしています。火にかけると最初は煙が出ますので、換気をしてください。
・IHコンロ、電子レンジの使用はできません
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岡本渓壽(おかもと・けいじゅ)
1951年兵庫県生まれ。サラリーマンをしながら彫金や鍛金の技法を学び、現在は「鍛金工房 渓壽庵(たんきんこうぼう けいじゅあん)」として神戸を拠点に活動。銅の鍋やカップなど暮らしの道具を制作する。「兵庫県立ものづくり大学校 ものづくり体験館」にて、鍛金の技法による授業の講師も務める。
〈撮影/山川修一〉